
脳梗塞のリハビリは、退院したら終わりではありません
脳梗塞を発症すると、治療とあわせてリハビリテーションが行われることがあります。入院中は歩く練習や立ち上がり、着替え、トイレなど、身体の機能だけでなく日常生活に必要な動作を取り戻すための訓練が行われます。
一方で、退院した後に「まだ歩くのが不安」「家の中で動くことが減った」「以前のように外出できない」と感じる方も少なくありません。そのため、退院後の生活に合わせてリハビリを続けることも大切です。
この記事では、脳梗塞のリハビリがどのように進んでいくのか、そして退院後にどのような方法でリハビリを続けられるのかを、できるだけわかりやすくご紹介します。
脳梗塞のリハビリはどのように進む?
脳卒中のリハビリテーションは、急性期から回復期、そして退院後の生活期まで、それぞれの時期に応じて行われます。厚生労働省も、脳卒中について急性期から維持期・生活期まで一貫したリハビリテーションを行うことを示しています。
急性期では、状態を確認しながら早期の離床や基本的な動作などに取り組みます。その後の回復期では、身体機能の回復や日常生活動作の向上を目指して、より集中的なリハビリが行われます。
そして、退院後の生活期では、回復した機能や残っている機能を活用しながら、歩行や日常生活などの生活機能を維持・向上させていくことが重要になります。
つまり、リハビリは「病院にいる間だけのもの」と考えるのではなく、実際の生活につなげて考えることが大切です。
退院後のリハビリで大切なこと
退院すると、病院の訓練室とは違い、実際の自宅や地域で生活することになります。そこで初めて、「病院ではできていたけれど、自宅では難しい」ということが見つかる場合もあります。
例えば、次のようなことです。
- ベッドや椅子から安全に立ち上がりたい
- トイレまで一人で移動できるようになりたい
- 杖や歩行器を使って安全に歩きたい
- 家の中で転倒しないようにしたい
- もう一度、買い物や外出を楽しみたい
- 家族の介助を少しでも減らしたい
このように、退院後に必要になるリハビリは、一人ひとり異なります。そのため、単に筋力をつけるだけではなく、「実際の生活で何ができるようになりたいのか」を考えることが大切です。
自宅で行うリハビリにはどんなものがある?
自宅でのリハビリでは、歩行や立ち上がりなどの基本動作だけでなく、実際の生活場面に合わせた練習を行うことがあります。
例えば、ベッドから立ち上がる、廊下を歩く、トイレまで移動する、玄関まで歩くといった動作です。また、状態に応じて下肢の筋力やバランス能力、身体の動かし方などを確認することもあります。
さらに、自宅の環境そのものを確認することも重要です。段差や手すり、家具の配置などによって、同じ身体機能でも動きやすさが変わるためです。
そのため、病院でできる動作を増やすだけではなく、「自宅で安全に生活するにはどうすればよいか」という視点でリハビリを考えることが大切です。
退院後もリハビリを続けたいときの選択肢
退院後のリハビリには、介護保険による訪問リハビリテーションや通所リハビリテーションなど、さまざまな選択肢があります。
また、現在利用しているサービスだけでは「もう少し歩く練習をしたい」「外出まで含めて練習したい」と感じる場合には、保険外のリハビリという選択肢もあります。
保険外の自費訪問リハビリでは、制度上のサービスとは別に、本人が目指したい生活や具体的な目標に合わせてリハビリを考えることができます。
例えば、「近所まで歩いて買い物に行きたい」「家族と一緒に外出したい」「施設の中をもっと自分で歩きたい」など、生活に直結した目標を設定することもできます。
もちろん、どのサービスが適しているかは身体の状態や生活環境によって異なります。そのため、まずは主治医や担当の専門職、ケアマネジャーなどに相談しながら、自分に合った方法を検討することが大切です。
脳梗塞のリハビリは「生活につなげる」ことが大切
脳梗塞のリハビリでは、身体の動きが良くなることだけが目標ではありません。
「自分でトイレに行きたい」「家の中を安全に歩きたい」「家族と外出したい」「もう一度趣味を楽しみたい」など、その人がどのような生活を送りたいのかを考えることが大切です。
そのため、退院後のリハビリでは、病院で行っていた訓練をそのまま続けるだけではなく、実際の生活の中で必要になる動作に合わせて内容を考えていくことが重要です。
日本脳卒中学会のガイドラインでも、生活期の脳卒中患者に対して、歩行機能や日常生活動作の改善を目的とした歩行訓練などが推奨されています。
ご本人だけでなく、ご家族も一緒に考えることが大切です
脳梗塞の退院後は、ご本人だけでなくご家族も「転倒しないだろうか」「一人で生活できるだろうか」と不安を感じることがあります。
また、介助を続ける中で、ご家族の身体的・精神的な負担が大きくなることもあります。そのため、ご本人ができることを増やすことはもちろん、ご家族が安心して生活を支えられる環境を考えることも大切です。
「病院を退院したけれど、まだ生活に不安がある」「今のリハビリだけではもう少し練習したい」と感じた場合は、一人で抱え込まず、専門職に相談してみましょう。
京都で脳梗塞の退院後リハビリをお考えの方へ
くらしサポートA&Aでは、理学療法士などの専門職がご自宅や介護付き有料老人ホームなどを訪問し、生活に合わせた自費訪問リハビリを行っています。
「歩く練習をしたい」「立ち上がりを安定させたい」といった身体面だけでなく、「買い物に行きたい」「外出できるようになりたい」など、その方が実際の生活で目指したいことを大切にしています。
また、退院直後は生活環境が大きく変わる時期でもあります。そのため、退院してから考えるのではなく、退院前の段階から今後の生活やリハビリについて相談しておくことも一つの方法です。
脳梗塞のリハビリは、病院を退院したら終わりというものではありません。退院後の生活の中で「できるようになりたいこと」を一緒に整理しながら、その人らしい生活につながるリハビリを考えていきましょう。