
脳梗塞の退院後にリハビリは必要?
脳梗塞の治療やリハビリを終えて退院すると、「これからリハビリはどうしたらいいのだろう」と不安になる方もいるのではないでしょうか。
病院では歩けていたとしても、自宅に戻ると段差や狭い場所で動きにくかったり、外出すると疲れやふらつきが気になったりすることがあります。
そのため、脳梗塞の退院後は、実際の生活に合わせて身体の状態を確認しながら、必要なリハビリを続けていくことが大切です。
この記事では、脳梗塞の退院後に考えたいリハビリのポイントや、自宅で続ける方法、訪問リハビリという選択肢についてわかりやすく解説します。
退院後にリハビリを続ける理由
脳梗塞のリハビリは、入院中だけで終わるものではありません。
退院後は、病院とは違った環境の中で生活することになります。そのため、実際に自宅で生活してみて初めて気づく課題もあります。
例えば、次のようなことです。
- ベッドや椅子から立ち上がるときに不安がある
- トイレや洗面所まで歩くのに時間がかかる
- 廊下や部屋の中でふらつくことがある
- 玄関の段差を越えるのが怖い
- 外を歩くとすぐに疲れてしまう
- 一人で買い物や外出をすることが難しい
このような課題は、病院の訓練室だけでは分かりにくい場合があります。
だからこそ、退院後は「どのくらい身体が動くか」だけではなく、「実際の生活で何に困っているのか」という視点でリハビリを考えることが重要です。
脳梗塞の退院後に確認したい身体の状態
退院後の生活では、歩行だけでなく、さまざまな身体機能が関係します。
歩く力
家の中を歩けても、屋外では長い距離を歩いたり、道路の段差を越えたりする必要があります。
また、方向転換や人とのすれ違い、信号待ちなど、病院内とは異なる状況に対応しなければなりません。そのため、実際の生活環境で歩行を確認することも大切です。
立ち上がる力
椅子やベッドからの立ち上がりは、トイレや食事など日常生活のさまざまな場面で必要になります。
立ち上がりに不安がある場合は、足の力だけでなく、身体の使い方やバランスなども確認します。
バランス能力
立っているときや歩いているときに身体がふらつく場合、転倒につながる可能性があります。
そのため、静かに立っている状態だけでなく、方向転換や物を取る動作など、日常生活に近い場面で身体の安定性を確認することも大切です。
自宅でできるリハビリとは?
退院後のリハビリでは、身体の状態に合わせてさまざまな方法が考えられます。
例えば、椅子からの立ち上がり、歩行、バランス練習、下肢の運動などです。
ただし、「脳梗塞ならこの運動をすればいい」と一律に決められるものではありません。麻痺の程度や筋力、バランス、疲れやすさなどは一人ひとり違うためです。
また、運動を行う際には転倒などの危険にも注意が必要です。そのため、すでに医療機関やリハビリ専門職から指導を受けている場合は、その内容を基本にして取り組むことが大切です。
さらに、自宅での生活を考えるなら、運動だけでなく実際の生活動作を練習することも重要です。
「できる動作」と「生活で使える動作」は違います
リハビリでは、ベッドから立ち上がれる、数メートル歩けるといった「できる動作」を確認することがあります。
しかし、実際の生活では、それだけでは十分ではない場合があります。
例えば、家の中を歩いてトイレまで行く、玄関まで移動して靴を履く、外へ出て近所を歩くなど、複数の動作を続けて行う必要があります。
そのため、退院後のリハビリでは、「できるかどうか」だけでなく、「安全に、無理なく、生活の中で使えるか」という視点が重要です。
だからこそ、自宅での生活そのものをリハビリの場として考えることには意味があります。
訪問リハビリなら自宅の環境に合わせて考えられます
退院後のリハビリ方法の一つに、訪問型のリハビリがあります。
訪問リハビリでは、専門職が実際に生活している自宅を訪問します。そのため、ベッドからの立ち上がり、廊下の歩行、トイレまでの移動、玄関から外へ出る動作など、生活に直結した課題を確認できます。
また、自宅周辺を歩くことが必要な場合には、道路の段差や歩道の状況などを踏まえて、屋外での歩行について考えることもあります。
一方で、利用できる訪問リハビリの制度や条件は、介護保険などによって異なります。そのため、まずは主治医やケアマネジャーなどに相談し、自分に合ったサービスを確認することが大切です。
保険外の自費訪問リハビリという選択肢
現在利用しているリハビリだけでは、「もう少し歩く練習をしたい」「外出まで含めて練習したい」と感じることもあるかもしれません。
そのような場合には、保険外の自費リハビリという選択肢もあります。
自費訪問リハビリでは、保険制度によるサービスとは別に、ご本人が目指したい生活や具体的な目標に合わせてリハビリ内容を検討できます。
例えば、「一人で玄関まで歩きたい」「家族と一緒に買い物へ行きたい」「近所を散歩できるようになりたい」など、生活に直結した目標を設定することもできます。
ただし、すべての方に自費リハビリが適しているわけではありません。身体の状態や現在利用しているサービスなどを踏まえ、専門職と相談しながら利用方法を考えることが大切です。
ご家族が気をつけたいこと
脳梗塞の退院後は、ご家族も「転ばないようにしなければ」と考え、つい先回りして介助してしまうことがあります。
もちろん、安全を守ることは大切です。しかし、ご本人ができる動作まで周囲がすべて手伝ってしまうと、自分で身体を動かす機会が減ってしまう場合があります。
そのため、安全を確保しながら、ご本人ができることはできるだけ自分で行えるようにすることも大切です。
また、どこまで本人に任せてよいのか分からない場合は、リハビリ専門職に相談してみましょう。身体機能だけでなく、自宅の環境や介助方法を含めて考えることで、ご本人とご家族の双方にとって無理の少ない方法を見つけやすくなります。
退院後の生活を見据えて、早めにリハビリを考えましょう
脳梗塞の退院後は、「退院してから考えればいい」と思ってしまいがちです。
しかし、退院してから生活に困っていることに気づくよりも、退院前から自宅での生活をイメージしておくことで、必要な準備を進めやすくなります。
例えば、歩行やトイレ、入浴、玄関の出入りなど、退院後に必要になる動作を事前に整理しておくことです。
さらに、どのようなリハビリを続けるのか、どのサービスを利用するのかについても、早めに相談しておくと安心です。
くらしサポートA&Aでは、ご自宅や介護付き有料老人ホームなどを訪問し、その方の生活や目標に合わせた自費訪問リハビリを行っています。
「退院後もリハビリを続けたい」「自宅での生活に不安がある」「もう一度外出できるようになりたい」など、お身体や生活について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。